借主に通常消耗も含めて原状回復してもらいたい

2024/01/04

お悩みさん

54歳男性です。
ビルのオーナーをしていまして、10個の貸室を賃貸しています。
基本的にはオフィスとしての貸し出しをしているのですが、退去した際に、通常消耗も含めて原状回復してもらいたいのですが、それは可能なのでしょうか。
通常消耗は原則として原状回復義務の範囲外と聞いています。
教えてください。

弁護士

今回は貸主様のご相談ですね。
原状回復についての判例などもありますのでその辺りを踏まえて検討していきましょう。

通常消耗の修繕の可否

弁護士

まず、通常消耗は原則として原状回復義務の範囲外というのはご指摘のとおりですが、通常消耗も原状回復の範囲とする旨の合意をすること自体は可能です。そのような合意のことを原状回復特約といいます。
もっとも、賃貸借期間中の修繕義務は本来賃貸人が負うものとされていますので、これを賃借人が負うこととする原状回復特約の成立は制限的に解釈すべきと考えられています。判例によれば、原状回復特約が成立したといえるためには、賃借人が通常損耗の原状回復義務を負うことのみならず、その義務を負うことになる通常損耗の範囲まで、明確に合意されたことが必要であるとされています。
具体的には、賃貸借契約書の中で、原状回復義務の範囲を表などにして詳細にその内容を規定すること等が必要になります。

お悩みさん

そうなんですね。
流石にそんな複雑なことを自分でできる気がしません。
具体的に、私がそれをしたい場合は、誰に何を依頼すればいいのでしょうか。

契約書や修繕書の作成について

弁護士

先ほども話した通り、細かい仕様を表等にしてまとめる必要があり、様々な内容を考慮して作成する必要がありますのでご自身で対応するのは難しいでしょう。
オフィスに関する内装工事にも原状回復工事にも対応している業者様でしたら、対応できると思います。

お悩みさん

ありがとうございます。
初めて聞いた内容ですので、とても参考になりました。
でも出来ることがしれましたので早速依頼してみようと思います。
ありがとうございました。

弁護士

お力になれてよかったです。
原状回復特約を定めるにあたっては、原状回復義務の範囲に関する表を作成するのと同時に、賃貸借契約書もしっかりと作り込む必要があります。
賃貸借契約書作成の際はお気軽に弁護士にご相談ください。

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