社員を解雇したい

2024/08/30

お悩みさん

50歳男性会社を経営しています。

試用期間の社員の勤怠及び勤務態度が悪く解雇したいのですが、その場合は解雇は簡単にできるのでしょうか。 解雇する場合はどのような手続きが必要なのでしょうか?

パワハラに該当するのか

弁護士

まず、雇用形態によって解雇の難易度が異なりますが、期間の定めがある場合には、原則期間が経過するまではやめさせることはできません。

期間の定めがない場合、例えば正社員の場合には、解雇権濫用法理があり、解雇にはハードルがあります。
 また、解雇にも懲戒解雇、普通解雇など種類がございます。

 いずれにせよ、労働者にとっての解雇は、生活を一変させる重大かつ不利益な処分であるため、労働法の適用がある限り、労働者の権利は守られているのが原則です。

お悩みさん

そうなんですね、仮に正社員雇用で
試用期間であっても解雇は難しいのでしょうか?

弁護士

試用期間中は解約権留保付労働契約とみなされ、企業側が雇用契約を解除できる権利を保有している状態となります。

それゆえに試用期間中には簡単に解雇できると思っている人が多いです。

この点、留保の趣旨からみて、本採用後よりは解雇が認められやすいと考えられますが、試用期間だからといって、幅広い事由で従業員を解雇させることはできません。採用時には知りえなかった事実が判明し、本採用しないと判断したことに客観的・合理的理由があり、社会通念上相当であれば解雇は有効とされますが、基本的には本採用と同じで社会通念上相当であると認められなければ、その解雇は権利濫用とされ、解雇が無効となります。

解雇の手順

お悩みさん

なるほど、勤怠及び勤務態度が悪く向上の見込みがなくても
簡単に解雇と言う訳にはいかないんですね。
例えばこのケースの場合に解雇したいとなった際は
どのような手順を踏めば良いのでしょうか。

弁護士

解雇は、解雇権濫用法理のもと、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当である場合という抽象的な基準であるため、総合考慮となる場合がほとんどです。

通常は勤務態度を考慮しつつ、何かあった際には始末書を書かせて業務における改善命令の指導をするなど段階的な対応を取りつつ、客観的な証拠を残すことが大切です。

解雇が無効になると、解雇期間中の賃金を支払わなければならない(バックペイ)など会社側にとって不利益になる場合がございますので、慎重に判断すべきです。

会社からしっかりと説明をして任意に退職干渉を図り、合意により退職する方法をとることも実務上多いケースです。

改善の見込みがあるかどうか、勤怠態度がどのくらい悪いのか、なども重要な観点になります。

まずは、事情を整理して、能力が明らかに不足していることや改善の見込みがないなどの事情を客観的に考慮することが大切です。

お悩みさん

そうなんですね。有り難うございます。
簡単に解雇出来ないからこそ、安易に雇用するのは危険なんですね。
今回の件で勉強になりました。
また相談させてください。

弁護士

とんでもございません。
おっしゃる通り、社員の解雇には慎重な対応が必要です。

またこれもお話の通り、労働者は労働基準法により強い法律で守られています。
お一人で判断せず、お気軽にご相談ください。
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